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人は嫌いな人が話す真実より、好きな人が話す嘘を選ぶ

 

ナチスについて研究した哲学者、ハンナアーレントの名言だそうです。

好きな人が話すことは嘘でも本当でもどっちでもよい、ということなのでしょうか。

なんか怖い。

 

好きな先生の教科の成績は上がり、嫌いな先生なら下がる、そういう人は一定数いるようです。

これもそれに近いでしょうか。

 

太古の昔、金屋中学校で一番嫌われている平野先生という先生がいました。

機嫌のいい時と悪い時の波が大きく、帰りの会ごとに人の悪いところをあげつらってはとにかく説教ばかりしている先生で、担任をするクラスはことごとく荒れに荒れる教育者とは真逆の人つまり反面教師でした。

平野先生が担任だと必ず大荒れするのをなぜ知っていたかですが、4歳上の姉のときから平野先生は金屋にいて、姉から情報を得ていたからです。

 

まずいことに平野先生には1、2年生両方で担任でお世話になり、私の人生に暗い影を落とします。

クラスは大荒れ。

それはいいとして。


平野先生は群を抜いて嫌われていますから「人は嫌いな人が話す真実より、好きな人が話す嘘を選ぶ」の名言通り、授業の後には、

「あいつの言っとること全然分からんら~」

という愚痴り合いが毎回そこかしこから大声で聞こえていました。

 

でも本当は超わかりやすい説明をしていたことを私は知っています。

私も平野先生は嫌いでしたが、立て板に水のごとく流暢に説明をするので思考が止まらず、洗脳されるがごとく頭にスーッと入っていき、中学校時代では一番楽しみにしている授業でした。

平野先生の授業では分からないことがなかったので一番成績が良かったです。

 

誰が言うかではなく、何を言うかが大事。

そう考えないと損です。

嫌いな人が言うことはまともでなくて、好きな人はまともだ、なんてことはないのです。

誰の言うことでも、拾えるところを拾っておけばいい、言い方は悪いですが、使える所を使っておけばいい、それが最も得な判断です。

 

嫌いな先生の話ついでに、校長の話は確かに長いです。

長いからつまらないのではなく、集中が切れるからつまらなくなるだけです。

大事なことを伝えたいから長くなるのであって、くだらないことを長々と話していることはたぶんないので、真剣に聞いてみるといいです。

何か収穫がないかそば耳立てて聞いていればそんなに長く感じません。

本当です。

私はいつも真剣に先生の話を聞いていたので長いと感じたことは一度もないです。

同じ年寄りだから言うわけではありませんが、先生の話を毎回真剣に聞くといいです。

話の間、どうせかかる時間は同じなのですから、自分の殻に閉じこもってクダラナイことを考えているより勉強になると思います。

同じ時間を拘束されて、聞いて勉強になるほうと、聞かなくて勉強にならないほうでは、聞いたほうが得に決まっています。

 

要は何だって得なほうを選べばよいという一言で済むことを、長々と話してしまいました。