atama+というデジタル教材があります。塾でしかできない教材です。
そのホームページからの引用です。
atama+では、センター試験対策において、たった2週間で「得点伸び率」の平均が「+50.4%」という驚くべき数字が出ています(*)。
*2018年センター試験 数ⅠA ──比較対象:受講前(2017年12月末)の過去問成績。2週間で平均14時間45分(1日あたり63分)の学習結果。
以上引用でした。
一見すると、客観的なデータに見えますね。
「平均」なんて言葉が使われると、客観的に感じるように洗脳されているからです。
では、「得点伸び率」の平均「+50.4%」を根拠に、実際に計算してみましょう。
もとの得点が50点とすると、
50×1.504=75.2
75点に伸びました。素晴らしいです。
もとの得点が70点とすると、
70×1.504=105.28
105点に伸びました。ありえないです。
センター数ⅠAの満点は100点ですから。
ここで、平均を持ち出すこと自体に意味がないことが分かります。
50.4%という数字は、もとの得点が67点以上の場合100点を越えてしまいます。
だから平均を持ち出すことに無理があります。
よく分からない人が「伸び率50%という驚くべき数字」を見たら
「atama+って、すごい!」
と感動するのかもしれませんね。
atama+の導入も考えていますが、こんな記事があると萎えてしまいます。
ずる賢い人たちの餌食にならないためにも、勉強すること、素早く計算できることは、とても大切です。
小6の知識で、この記事の矛盾が見えるのですから、勉強は大事です。
また、この平均値は、どの集団をサンプルに使ったのかを明らかにしていません。
例えば、
30点の集団を45点に上げれば、伸び率の平均はatama+と同じ50%です。
同じ15点を上げるのでも、85点を100点に上げるほうが遥かに難しいですが、伸び率は5.9%にしかなりません。
いくら良い成績を取ったとしても、数字のトリックを優先させる場合、後者の集団を使わないという操作が可能です。
さらに、どの過去問と比較したのかも明らかではありません。
センター試験は、年によっても、本試験か追試験かによっても、難易度が違います。
だから、過去問を同じものとして比較に持ち出したこと自体に誤りがあります。
最も難易度の高い過去問をもとに比較したことも考えられます。
要は、何を基準に抽出された集団かも、どの試験と比較したかも分からないのに、数字だけ持ち出しても全く説得力がないのです。
この場合、平均を持ち出したこと自体が、はなから間違っています。
平均という、もっともらしい物差しを使って人を操ろうとするのは、いかがなものでしょうか。
知識や思考力のない人たちを丸め込んで利益を上げようとするのは、詐欺の手口そのものです。
高い知識を悪知恵として使うとは、悪質極まれり、ですが、教育業界では、それがまかり通っているのが現状です。
『偏差値を2倍にする方法教えます』武田塾
あきれてものが言えん。
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もんもん (日曜日, 02 4月 2023 05:31)
アタマプラスも検討したことがあったので今回のブログは勉強になります。