福島原発で、メルトダウンした核燃料を取り出す作業がようやく始まったそうです。
衝撃の建屋爆発の生中継を見てからもう13年が経ちましたが、あの瞬間の血の気が引く感覚は今でも忘れられません。
あのとき、ああもう日本はダメかもしれん、と思わずつぶやいてしまいました。
高レベル放射性廃棄物の放射能レベルが安全な値になるまでには、少なくとも10万年かかるそうです。
10万年間、地下深くで保管する計画なのだそうです。
「この地下の深くに埋めたよ、気をつけて」
と10万年間、語り継がなければなりません。
10万年と言われるとイメージが湧きにくいですが、計算すると1000世紀。
1000世紀も先の人にお知らせしないといけません。
今たかだか21世紀なのに。
20世紀の50倍が1000世紀。
10万年前の人類を振り返ってみると、クロマニョン人を飛び越えてネアンデルタール人がいました。
10万年先の人類はどんな風貌なのでしょう。
そしてその未来人から私たちは何人と名づけられているでしょうか。
彼らは私たちと変わらずホモサピエンスであり続けるでしょうか。
それくらいに気の遠くなるような年月です。
人類最古の記録は、約5000年前のシュメール人が粘土板に遺した楔形文字です。
楔形文字は19世紀まで未解読のままでした。
ということは、今のところ5000年しか記録を遺せないことと、その解読が非常に困難であることが実証されているわけです。
10万年。
5000年の20倍。
今の人類は、5000年の20倍も先まで、核のゴミの記録を語り継ぐことができるでしょうか。
もしこの先、今の文明が一旦途絶え、次の文明が開かれたとして、たまたま残っていた私たちの文字を、未来人は解読できるでしょうか。
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